句集発刊
                     代表句               

 
日本全国俳人叢書92

 
「三枝青雲集-青き肺」

 近代文芸社

 1991-3-10発行  






 ・肺青くなるまで浸り海開き

 ・親不孝許すといふまで墓洗ふ
   

 ・長身の足より目覚め別れ霜

 ・乗込みの水のあけぼの乱しけり

 ・蝌蚪生まる山田に尽きる山の径

 ・商ひに執す衣を更へにけり

 ・誇るものなくて働く啄木忌

句集「鴇ケ嶺」

 本阿弥書店

     1997-7-31発行

 






・鴇ケ嶺の林道さくらまたさくら
 
・九十九里砂より明けて淑気満つ

・濡れてゐるときが倖せ甘茶仏

・初蝶にまだ領域のなかりけり

・返り花野心なしとは言ひきれず

・かなかなに呼び止められし北柿の忌


・潜り戸は風の抜けみち秋さくら
  

句集「海」

  文學の森

2006-4-24発行











・初かもめ百里を飛んで九十九里  
・頼られて生きるは大事なづな粥

・天国にゆくには足りず凧の糸

・花明り水あかりしてわが家郷

・還暦は水の如しや花わさび

・花満開余生に揺らぎなかりけり

・桃の花甲斐の盆地をふくらます

・尺取りに余生の尺をとられけり